植生史研究
Online ISSN : 2435-9238
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山形県立谷川河床埋没林から復元する 最終氷期最盛期の植生
大江 新一林 竜馬出穂 雅実百原 新大脇 航平佐々木 尚子高原 光植田 弥生山川 千代美山野井 徹
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2024 年 32 巻 2 号 p. 43-58

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抄録
山形県山形市と天童市の境界に位置する立谷川河床の3 層準で発見した埋没林とその堆積物について,埋没木,大型植物化石,花粉化石の分析および放射性炭素年代測定を行った。最終氷期最盛期を含む約22,000 ~ 18,000年前に,ヒメバラモミとトミザワトウヒを含むトウヒ属バラモミ節が最も優勢で,これにトドマツを含むモミ属,グイマツを含むカラマツ属を伴い,林床にはホロムイスゲなどが生育する湿地林が広がっていた。約22,000 年前の埋没林では,108 本の埋没木のうち84%を占めるトウヒ属は,樹幹直径40 cm 以上の個体を含み,最大直径64 cm で成長輪数260 以上であった。これに直径40 cm 未満のカラマツ属,20 cm 未満のモミ属が伴っていた。また,山形盆地の周辺斜面には,チョウセンゴヨウなどのマツ属単維管束亜属,コメツガなどのツガ属を含む針葉樹も分布していた。この堆積物にグイマツの球果が多数認められ,さらにトドマツ球果鱗片を含んでいたことは,宮城県仙台市の富沢遺跡ともに,山形盆地が最終氷期最盛期におけるトドマツやグイマツといった北方系樹種の南限域となっていたことを示している。
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