抄録
マルチプレックスPCRを利用した結核菌のVNTR解析法を確立した.検討の結果,6種類のプライマーミックスと,PCR試薬のKOD -Multi & Epi-(TOYOBO)を使用することで,最も効率の良い検査法を確立することができた.従来実施してきた検査法との比較の結果,一部結果が異なる場合があり,タンデムリピートのリピート数が多い場合にPCRの増幅が弱まることが原因と考えられた.確立した検査法は,判定が困難な場合,シングルPCRを併用することが必要であるが,PCRのマルチプレックス化による操作性の向上などの利点は大きく,VNTR解析において有用な方法である.