北陸作物学会報
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雑草イネにおける開花特性について
細井 淳高松 光生
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2015 年 50 巻 p. 15-17

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抄録

長野県で発生した雑草イネにおける自然交雑の可能性を検討するため,ポット移植栽培での出穂期および開花率の推移と,潜在的開花性(未開花穂における開花促進条件への感受性)についてそれぞれ調査した.出穂時期の比較により,雑草イネの開花時期は県内の主な作付け栽培品種(コシヒカリ)と重なることが判明した.1穂内の開花期間は1週間程度にわたり継続し,雑草イネと栽培イネはほぼ同じ長さであった.潜在的開花性については,温湯浸漬処理により雑草イネが栽培イネよりも開花率が高かったため,開花しやすいと判定された.以上から,雑草イネは環境条件に応じて鋭敏に開花する特徴があり,栽培イネと雑草イネの出穂期が重なっていることから,自然交雑の可能性があると判断された.

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© 2015 北陸作物・育種学会
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