抄録
中食や外食用米の需要増加に対応するため,多収性品種を用いた低コスト栽培が奨励されている.しかし,低コストは実現できても十分な収量を得られない事例が散見される.低コスト技術として密播育苗技術を導入した場合,適期苗 (育苗期間19日) の移植では多収となったが,苗の老化と薬害は相加的に茎数を減少させ,穂数の減少が減収の要因となった可能性が示唆された.やむを得ず老化苗を移植する場合,薬害リスクの小さい除草剤を選択することで茎数の減少は抑制され,減収傾向も軽減されたが,亜リン酸の効果は限定的であり,密植の効果は認められなかった.