日本産サンショウウオ類のmtDNA D-loop領域におけるPCR用ユニバーサルプライマーの開発
2005 年 2005 巻 2 号 p. 130-138
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2005 年 2005 巻 2 号 p. 130-138
本研究では, 日本産サンショウウオ類におけるミトコンドリアDNA D-loop領域におけるPCR用ユニバーサルプライマーの開発を行った.まず, 開発にはオオイタサンショウウオ (Hynobius dunni) の組織標本から抽出したミトコンドリアDNAを用い, 基本塩基配列としてtRNApro～D-loop～tRNAPhe～12SrRNA領域にかけての1316塩基対 (一部未決定領域を含む) の塩基配列を決定した.次に, 塩基置換速度が速く, 種内系統や遺伝的多様性分析等に適しているとされるD-loop領域の特性を考慮し, 種内変異検出用としてD-loop領域前半部222塩基をターゲットとしたPCR用プライマーセットHDL-F1およびHDL-R4を作成した.このプライマーセットはオオイタサンショウウオの他, オオダイガハラサンショウウオ (H.boulengeri), ブチサンショウウオ (H.naevius), ベッコウサンショウウオ (H.stejnegeri) およびオオサンショウウオ (Andrias japonicus) でも使用可能なことを確認し, 日本に生息するサンショウウオ類 (サンショウウオ科Hynobiidaeおよびオオウオ科Cryptobranchidaeを含むサンショウウオ亜目) のほぼすべてに適用可能なユニバーサルプライマーとして利用できることが明らかになった.
