チョウセンサンショウウオの核型は,すでに韓国本土産の個体について報告されている.しかし従来から別亜種の可能性を示唆されている済州島の個体はこれまでにその核型が分析されたことはなかった.そこで済州島内の7ヶ所で採集した雄成体を用い,腸上皮から得られた分裂中期細胞を押しつぶし法により染色体観察をした.その結果,染色体数は2n=56でギムザ染色された核型からみる限り,染色体の形態は韓国本土産の個体との類似性が高く,外部形態,骨格,酵素タンパクなどの表現型で知られるような済州島集団の独自性は核型には現れていないことが示された.
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