爬虫両棲類学雑誌
Online ISSN : 1883-4493
Print ISSN : 0285-3191
香港産アカガエル科3種の細胞分類学的研究
松井 正文太田 英利ラウ ミカエルW.ボガデク アンソニー
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1995 年 16 巻 1 号 p. 12-18

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抄録

香港産アカガエル科3種の核型を調査した.Amolops hongkongensisは,雌雄とも中部動原体型7対と次中部動原体型6対からなる染色体数2n=26本で,第7番目の対の長腕に二次狭搾をもつ.この種は核型からみて中国西部産の同属諸種よりもA.rickettiに近い。Rana exilispinosaもまた,雌雄とも染色体数2n=26本であるが,中部動原体型は8対,次中部動原体型が5対で,二次狭搾を欠く.核型からみてこの種はR.spinosaR.shiniに近く,最近提唱されたQuasipaa亜属の妥当性を支持する.Rana lividaもまた,中部動原体型8対,次中部動原体型5対からなる染色体数2n=26本だが,第10番目の対の長腕に二次狭搾をもつ点で安徽省産と異なる.この種は核型からみてEburana亜属よりもOdorrana亜属の種に近いと思われる.

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