香港産アカガエル科3種の核型を調査した.Amolops hongkongensisは,雌雄とも中部動原体型7対と次中部動原体型6対からなる染色体数2n=26本で,第7番目の対の長腕に二次狭搾をもつ.この種は核型からみて中国西部産の同属諸種よりもA.rickettiに近い。Rana exilispinosaもまた,雌雄とも染色体数2n=26本であるが,中部動原体型は8対,次中部動原体型が5対で,二次狭搾を欠く.核型からみてこの種はR.spinosaとR.shiniに近く,最近提唱されたQuasipaa亜属の妥当性を支持する.Rana lividaもまた,中部動原体型8対,次中部動原体型5対からなる染色体数2n=26本だが,第10番目の対の長腕に二次狭搾をもつ点で安徽省産と異なる.この種は核型からみてEburana亜属よりもOdorrana亜属の種に近いと思われる.
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