爬虫両棲類学雑誌
Online ISSN : 1883-4493
Print ISSN : 0285-3191
東南アジアにおけるタイマイの生態と漁業
梶原 武内田 至
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1974 年 5 巻 3 号 p. 48-56

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抄録

1973年8~9月にかけて東南アジアのフィリピン,マレイシア,シンガポール,インドネシアにおいて,タイマイ調査を行なった。
東南アジア地区の成体タイマイの漁場はSulu海,Flores海,Banda海であり,剥製用の若年タイマイ(甲長範囲18~36cm)漁場はSumatra西岸とCelebes南部海岸である。Java,Flores海のタイマイの産卵期は1~6月と予想された。しかし,Sulu海の産卵期については明らかでない。
タイマイはふ化後1年および2年で平均甲長がそれぞれ23cm,33cmになる。甲長12cmから20cmに成長する間に,腹甲の色は黒色から黄色に変化する。
年間捕獲されるべっ甲用成体タイマイはSulu海で約5,000頭,インドネシア領内で約15,000頭,剥製用若年タイマイはインドネシア領内で2~3万頭と推定される。

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