抄録
本研究の目的は、理学療法士が訪問リハビリテーションを行うにあたり、在宅障害者を日常生活活動(以下ADL)・ライフスタイル別に分類し、それに対応した効果的なケア内容を検討することである。対象者はA県の在宅障害者11名とした。方法はADL能力やライフスタイルを評価し、クラスター分析にて解析した。その結果、対象をADL能力別に閉じこもり防止型、ADL改善型、廃用症候群防止型の3群に分類することができた。効果的なケア内容は、閉じこもり予防型は閉じこもり、及び、閉じこもりによる身体機能低下の予防が重要であり、ADL改善型は早期ADL自立が重要であり、廃用症候群防止型は寝たきり防止とQOLの維持が重要となると思われた。介護保険制度における要介護度分類と比較して、本研究でのADL能力・ライフスタイル別分類は理学療法士が訪問リハビリテーションを行うにあたり、ケア内容を決定するための指標となる可能性が示唆される。