日本保健福祉学会誌
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看護学生のアサーティブネスの実態 : 基礎看護学実習でアサーティブになれなかった状況と実習後のアサーティブネス得点からの考察
吾妻 知美鈴木 英子齋藤 深雪
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2014 年 21 巻 1 号 p. 13-23

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抄録
目的:看護学生のアサーティブネス・トレーニングを開発するための基礎資料として学生のアサーティブネス得点(J-RAS)と,アサーティブになれなかった状況と理由を明らかにすることである。方法:2大学の看護系大学で基礎看護学実習後の学生123名対し質問紙調査を行った。調査内容は、対象者の背景(性別および年齢),日本語版Rathus Assertiveness Schedule(J-RAS)を使用したアサーティブネス得点および「基礎看護学実習でアサーティブになれなかった状況と理由」の自由記載である。分析はJ-RAS得点は、平均、最大値、最小値を把握し2大学の平均値を比較した。自由記載は内容分析を行った。結果:学生のJ-RAS得点の平均値(SD)は-18.3(22.8)で、非主張的なノンアサーティブ傾向が認められた。また、学生の8割は忙しそうな指導者の状況に遠慮したり,成績評価を気にして言えないという体験をしていた。2割の学生は言いすきたという体験をしており、受け持ち患者に対し援助を行う際に押し付けたという内容であった。考察:基礎看護学実習前に学生のアサーティブネスに合わせたトレーニングの必要性が示唆された。さらに、指導者側も、一方的な指導や威圧感を与えるようなコミュニケーションで学生の言えない状況をつくっており、アサーティブを意識した関わりの必要性が示唆された。
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© 2014 日本保健福祉学会
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