抄録
目的:国際生活機能分類(ICF)を活用し、自己評価式精神障害者生活機能評価尺度を作成した。この尺度は課題や行為の遂行能力をみる活動面(18項目)と生活・人生場面への関わる能力をみる参加面(24項目)の下位概念から構成される。本研究は活動面の信頼性と妥当性を検討した。研究方法:対象は、統合失調症の精神科デイケア通所者1,272名であった。郵送法による質問紙調査を2回実施した。調査期間は2007年9月から2008年2月であった。結果および考察:因子的妥当性は3つの因子を抽出し、累積寄与率は56.8%であった。再テスト信頼性では、1回目と2回目の活動点に有意かつ強い正の相関が見られた(r=0.95、p<0.01)。折半法では、偶数項目の合計点と奇数項目の合計点に有意かつ強い正の相関が見られた(r=0.86、p<0.01)。内的整合性はα=0.80〜0.91であった。以上から、この尺度は一定の妥当性と信頼性が確保されでいた。