抄録
本研究は、高齢者の身体機能維持と趣味活動の継続との関連を縦断的に検討したものである。対象は大都市近郊T村在住の60歳以上高齢者656名(男性281名、女性375名)であり、2年間の縦断研究を行った。調査項目は、属性、身体機能、趣味活動等についてであった。趣味活動の継続と身体機能の維持との関連を、カイ二乗検定を用いて分析したところ、有意な差がみられた。また、身体機能の維持を目的変数、年齢、性別、罹患を統制要因、趣味活動を説明変数とし、ロジスティック回帰分析を行った結果有意な関連が示され、趣味活動の継続が身体機能の維持に影響を与えることが明らかとなった。趣味活動の内容、食習慣、睡眠時間、運動等の生活習慣等、身体機能の維持に影響すると考えられる他の要因との関連についても、さらに検討することが今後の課題としてあげられる。