抄録
本調査研究はQOL指標の交差妥当性を検討することを目的とした。調査対象者は、岡山県内のA町(1,152名)とK村(942名)に在住する65歳以上の高齢者であった。調査内容は、性別、年齢、健康度自己評価、QOL指標であり、回答は自記式とした。分析対象は回答に欠損値のないA町328名、K村343名とし、同時因分析を用いて因子構造モデルの不変性を検討した。その結果、モデルの安定性には若干の問題はあったが、適合度は性別及び年齢階層別とも許容水準にあり、QOL指標の因子不変性が確認された。この結果より、本QOL指標は高齢者の主観的QOLを測定する道具としての妥当性を有していることが推察された。