抄録
本実験は,低気温低日射条件下から高気温高日射条件下を含む9月から6月にトマトを栽培し,摘心を行わない長段栽培区と,摘芯を行う低段栽培区を設け,気象条件と摘心の有無が乾物生産と障害果の発生に及ぼす影響を調査した.その結果,長段栽培と低段栽培は光利用効率,果実乾物分配率,障害果の発生に大きな差がみられた.高温環境では,長段栽培では光利用効率の低下,果実肥大の抑制が生じた.これに対して,低段栽培では光利用効率の低下がなく,果実肥大が良好であった.高温環境では,長段栽培は商品果率が著しく低下した.長段栽培は乱形果,小果,尻腐れ果などの障害果の発生が多かった.一方,低段栽培区は長段栽培より商品果率が高く,また,障害果は放射状裂果のみであった.これらのことから,低段栽培は高温環境に適した栽培方法であると結論した.