2017 年 18 巻 p. 25-28
浜松市天竜区水窪町,草木トンネル南方の新第三系基底の礫岩中の白亜系の礫からネズミザメ目パラノモトドン属(Paranomotodon sp.)サメ歯化石が産出した.不整合直上の基底礫岩の礫は,殆んどが水窪層の泥岩と同質の泥岩からなる.不整合の5m上位の含サメ歯化石礫は,三角貝も含むため,水窪層起源と考えられる.サメ歯化石と同層準の白亜系砂岩礫および直近の水窪層からは,後期アルビアン階を示すアンモナイトMortoniceras に比較される種が見出された.水窪の白亜系から初産出のサメ歯化石は,水窪層の年代や堆積環境を考察する上で有用である.