1999 年 119 巻 5 号 p. 699-706
計算機による人間の表情理解は,よりよいユーザインタフェースの構築のために重要な技術である.本論文では,顔の表情動画像から連続的な表情変化を認識する手法を提案する.本手法では,まずリンクの重みを考慮したラベル付けグラフ・マッチングを用いて,顔特徴点の局所特徴及び空間的位置関係両方とも考慮し,顔表情動画像から顔特徴点を追跡する.次に,顔特徴点の推移をB-spline曲線で近似した表情変化モデルと,追跡軌跡との距離により表情を識別する.表情のカテゴリーだけでなく,フレームごとの表情変化の程度も認識することができる.この表情変化の程度情報により入力動画像とモデルとの時間差を吸収できる.また,現フレームで得られた表情情報を次フレームの追跡処理にフィードバックし,処理時間を短縮する.
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