2025 年 15 巻 5 号 p. 28-34
多発性骨髄腫は高齢者に多い疾患であり,今後,高齢者人口の増加が予想されることから,高齢多発性骨髄腫患者の治療はますます重要となる。治療にあたっては,治療効果のみならず,全身状態や生活の質(QOL),患者の治療に対する価値観を考慮したWell-being重視の治療戦略が求められる。
近年,高齢者の体力向上や抗CD38抗体薬などの新規薬剤の登場により,従来に比べて高齢者の治療内容は大きく変化している。しかし一方で,副作用,frail,通院負担,医療費,家族サポートなど,多くの課題も依然として存在する。これらの要因を総合的に評価し,患者ごとに最適な治療法を選択することが重要である。