2022 年 15 巻 1 号 p. 26-35
目 的:国内の美容鍼灸に関する研究の現状を把握することを目的に研究論文レビューを行った。
方 法:医中誌Webを用い、2021年4月26日に2020年12月31日までの文献を検索した。組入れ基準は原著論文、美容鍼灸の効果を評価したもの、除外基準は会議録、総説・解説、商業誌に掲載されたものなどとした。
結 果:355編が検索され、44件が抽出された。出版年では、2007年から論文が増加傾向であった。各調査項目の最多では、掲載雑誌は東洋療法学校協会雑誌が28件、研究デザインは非ランダム化比較試験と前後比較試験が12件、施術目的は美顔が17件、評価方法は主観的評価が19件、介入方法はマニュアル鍼刺激が45件であった。
結 論:美容鍼灸に関する国内の文献は2007年から増加傾向であったが、査読を経た学術論文として出版されているものは少ない現状であった。今後はよりエビデンスレベルの高い研究デザインで臨床研究を行い、美容鍼灸の有効性を評価していく必要がある。