抄録
従来の剪定方法(抑制剪定)は樹木への悪影響が大きく,管理コストの増大や樹木機能の低下を招いている。そこで,樹木の自然な成長を活かし,構造の欠陥を段階的に修正する技術が注目されている。筆者は,専門家を対象とした実技講習会を実施し,主幹の特定や欠陥修正方法などの技術要点を指導した。本技術は剪定の悪影響を最小限に抑えつつ,安全性を高めながら樹木の環境機能を持続させることができる。また,適用に制約がある場合は改良型抑制剪定を併用することで対応する。植栽設計では成長特性に配慮した樹種選定と土壌改良により,長期的な管理負担の軽減を実証している。