抄録
胆石の構成については種々なる角度より究明されまた検討を重ね, 古来よりそれらの業績は山積されている. ことに形態的観察を試みた研究は全くなし尽され, あわせて物理化学的関連においても各種胆石の生成機転を明らかにせんとした試みもきわめて多い. なお胆石の肉眼的観察によつて胆石表面の色彩, 大いさ, 形態などより胆石を概念的に種別することは容易である.
我々は一応かかる肉眼的観察の立場から離れ, また光学顕微鏡の解像力によつても観察しえない大いさ1μ以下の超構造を電子顕微鏡を使用してとくに胆石表面の形態を観察した.
結果, 電子顕微鏡的にも胆石の概念的分型は可能であり, 文献上新知見として記載報告する.