医療
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原発性肺高血圧症
―1剖検例を中心として―
大野 敏巳乃木 道男古城 美一星野 恒夫渡辺 哲
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1976 年 30 巻 2 号 p. 101-106

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抄録
原発性肺高血圧症は, 成因の不明な比較的希な, 疾患である. 渡辺の統計によると1974年までに137例ある. (本邦未発表分を含む)症例は37才, ♀, 既往歴なく, 出産3回, 昭和45年, 呼吸困難があり, 昭和47年より増悪, 同年12月に入院し, 昭和48年8月死亡した. 入院時Cyanoseあり, 浮腫(+), 心音は雑音(一), PIIの分裂著明, 多血症, ASCO500×, CRP2+, 肝機能正常, 心電図は右室肥大, 胸部X-P, 左II弓突出. 心拡大(+), PPHを考えたが, ASD(Eisenmenger化), 重症M, S肺塞栓など考慮して, 右心カテ, アンギオ施行しPA圧100/45(60)と著明に上昇, 短絡無く, PPHと診断, 薬剤は強心剤, Steroidなど使用したが無効, 解剖所見は, 肺の中小動脈の肥厚著明であつた. 考察として, 本症の報告例を中心として頻度, 症状, 鑑別診断, 経過, 及び成因について, 文献的考察を行つた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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