医療
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IgA・heavy chain病の臨床ならびに免疫化学的検査成績
猿田 栄助宮本 康志伊藤 綏長縄 謹子小島 逸子河野 均也土屋 俊夫大島 寿美子
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1976 年 30 巻 7 号 p. 585-595

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抄録

α鎖病は1968年Seligmannらが初めて報告した疾患で, 分泌型IgAの産生細胞である形質細胞またはリンパ球様細胞の異常増殖により惹起される. しかもこれらの細胞から産生される免疫グロブリンは, 抗原的にIgA1のSubclassのFc分節に類似する免疫グロブリンである. 従つて臨床像は分泌型IgA産生細胞を有する臓器の病変として表現され, 腸型と小数例の肺野型の2型が現在まで報告されている. 本報告例も定型的腸型であつた. 本症の興味ある点は人種的特異性の強いこと (Non-Ashkenazi Jews. Israeli Arbsに多発) 腫瘍としての性格及び免疫化学的の構造, 生合成などの諸問題であるが, 著者らは本例から得られた臨床・免疫化学的診断について可能な限り検索した成績について述べ, 文献的にも検討し本報告を作製した. (なお本例は純粋なる日本人としては, 1971年の木谷例に続く2症例目の報告である.)

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