医療
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疼痛性疾患に対する電気針治療について
鎌野 俊彦梶原 要高橋 吉美伊藤 久次
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1976 年 30 巻 7 号 p. 663-669

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抄録

電気針の生体に及ぼす影響について, 通電刺激による血液成分の変化, 血清の生化学的変化, 指尖脈波, 心拍数, 血圧, 心電図, 脳波, 筋電図などの変化により治療効果及び安全性を確かめえたので報告する. 我々の方法は経絡理論及び神経解剖学的取穴により通電方式をとつた. 自律神経失調とみられる各種不定愁訴を呈する, むちうち症に対し, 早期からの刺激療法により軽快をみた. 五十肩も短期間の治療で疼痛による運動制限の改善をみた. 坐骨神経痛に対しても経穴及び坐骨神経近傍の直接刺激により痛み, しびれの改善をえた. 肩凝り, 腰背部痛にみられる筋, 筋膜性の疼痛に対しては有効例が多い. 脊髄造影で椎間板ヘルニヤによるプロツク像を呈するもの, 変形性股関節症により股関節痛を訴える症例においては成績が悪い. 電気針は無薬物治療という利点があり, 我々の症例では悪化例, 副作用はほとんどみられなかつた.

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© 一般社団法人国立医療学会
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