抄録
Pseudolymphomaの概念は1963年にSaltzsteinによつて提唱され, 肺原発のリンパ球性腫瘍の中で組織学的に成熟リンパ球を主とし, なかに少数の炎症性細胞を混じ, 真の胚中心の存在が認められて周囲のリンパ節にも悪性所見のないものをPseudolymphomaと呼んだ. 我々はPseudolymphomaと診断された主婦について経過観察中, その限局性陰影が両側肺野に広範な浸潤性陰影となつて進展した1例を経験した. 比較的まれな疾病のため組織像, 臨床経過ともに判然としない点が多く, これまでの報告例をもとに検討した.