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向精神薬と併用抗パーキンソン剤の選択に関する臨床的研究
国立病院精神科共同研究班冨永 一小林 亮三高室 昌一郎
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1977 年 31 巻 4 号 p. 352-361

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抄録
向精神薬に, 抗パ剤が併用されている実態を概括的にとらえ報告した. 調査は昭和48年から50年にわたり, 30の国立病院精神科が班員となり, アンケートに答えた.
結果1)抗パ剤は, アミノプロパノール系およびフエノチアジン系化合物が多く用いられていた.
2)抗パ剤の併用について, 賛否のある点を述べた. 班員施設では, 少量を適切に使用していた.
3)自律神経遮断剤と3環系抗うつ剤の副作用に対する抗パ剤の効果は, 類似した傾向を示した.
4)抗パ剤の併用や中断で, 精神症状が変化するばあいがあつた. 抗パ剤が, 向精神薬の効果に影響を与えるばあいがあると推定された.
5)遅発デイスキネジアの薬物療法は困難であつた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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