医療
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迷切とドレナージ手術
松岡 寿夫宮川 兜大久保 清一郎金城 浩熊谷 広子
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1978 年 32 巻 3 号 p. 286-293

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抄録
十二指腸潰瘍に対して行われた迷切兼ドレナージ手術25例をとりあげ, 検討した.
主として行つた選迷切兼幽門成形術(SV+P)18例のBAO減酸率82.1%, MAO減酸率57.6%, PAO減酸率62.1%は, 胃切除術, 選迷切兼幽門洞切除術に比べて低いが, 術後の愁訴の改善は良好であつた.
再発潰瘍はSV+P群2例(11.1%)にみられ, 胃X線で十二指腸下行部, 下水平部の著明に拡張した像を認め, これをD. S. Signとよび, 潰瘍再発の早期警告所見としてとりあげた.
出血量の減少を目的とし, Babcock鉗子使用によるFinney型幽門成形術の手技上の工夫をこころみ, 先端が前庭部にとどくように7cmに延長した改良型Foley Balloon Catheterによる, 前壁固定を同時にかねた胃瘻形成により, 術後の患者の苦痛の消失と, 胃内容の停滞の軽減が得られ, 更に術後の迷切食について工夫した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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