医療
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脳卒中発症因子についての臨床的考察
木畑 正義
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1979 年 33 巻 7 号 p. 624-631

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抄録

脳卒中危険因子として高血圧その他のものが知られているが, 血清コレステロールに関しては議論がある. 特にコレステロール低下が重視される報告が増えつつある. この立場に基づいて行つた二, 三の検討の結果は, 低コレステロールは低栄養に基づくことが想定されるが, この場合にHDLコレステロールの低下及びビタミンE値の低下を伴う. 一方, 急性・慢性の血管障害では種々の要因に由来し過酸化脂質が増量し, 同時にビタミンEが消費される. ビタミンEはコレステロールの合成, 運搬, 排泄に寄与している, などの結果を得た. 1)低コレステロールは低HDLコレステロールを来す. 2)低コレステロールは低ビタミンEを伴う. 3)低ビタミンEは血清及び組織の過酸化脂質生成・抑制の機能の低下を招く. すなわち, (1)低HDLコレステロール, (2)低ビタミンE, (3)過酸化脂質増加を脳卒中危険因子に新たに加えるべきである.

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