医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
子宮内膜症の臨床―特にHSG像との相関について―
高野 昇園田 俊雄吉田 哲夫桧垣 康二
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 34 巻 3 号 p. 253-258

詳細
抄録

最近外来診療における子宮内膜症の存在は, 炎症性疾患の減少に伴いクローズアツプされ, これらの診断, 治療に関心が持たれるようになつた. 子宮内膜症の診断については, 各種臨床的事項の総合判定によらねばならず, 特有な診断方法はない. そこで子宮内膜症診断能向上に資するを目的として, 組織学的に子宮内膜症と診断された開腹症例の術前子宮卵管造影(HSG)像を分析, 臨床所見ならびに開腹所見との相関につき検討を行つた.
HSG撮影については, 高電圧, New SS高感度増感紙を利用, 被曝線量を減少きせ, TV観察のもと, (1)子宮卵管陰影確認(2)腹膜陰影確認直後(3)側面像(4)造影剤注入終了5分後の4枚撮影方法を採用した.
子宮内膜症にみられるHSG像, とくに卵管陰影(側面像を含め)の走行方向, 走行形態, 側面像におけるDouglas窩の所見, 腹膜陰影などに特徴的ともいえる所見がみられ, また子宮内膜症臨床的進行度分類(Beecham)との間にも相関がみられた.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top