医療
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ステロイド単独投与で寛解を繰り返した成人ALLの1例とその細胞形態学的変化
中山 仁鳥居 幸夫村山 直弘青木 誠福井谷 祐一川戸 正文高橋 隆一伊藤 宗元
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1982 年 36 巻 1 号 p. 65-69

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抄録
副腎皮質ホルモン剤が急性白血病に使用され始めたのは本邦では約30年前からであるが, その単独投与は白血病の寛解率の不良, 寛解期間の短いこと, さらにはその副作用の発現から現在では一部の小児急性リンパ性白血病の一時期に使用されるにすぎない. 我々はたまたま67才の家婦のnull cell typeと思われるALLの1例で, 1日60mgの副腎皮質ホルモン単独投与で急激な血液学的寛解と全身症状の軽快を来した. 40日後に再発を来したがこれも著明な軽快を来したが, その後は徐々にその効果は不良となり髄膜白血病で死亡した. 本例の初発時とステロイドが効果のなくなつた時期の病的細胞について, ギムザ染色上, さらに電顕的に細胞形態に明らかな差異が認められ, これらの病態について検討した
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© 一般社団法人国立医療学会
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