医療
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トレツドミル運動負荷によるR波高の変化
山口 正人上村 博幸斉藤 雅也白木 硬大黒 道夫黒田 良三木方 真一郎浅井 紀子
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1983 年 37 巻 9 号 p. 853-857

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抄録
虚血性心疾患患者34名と健常者25名に, トレツドミル運動負荷心電図を行い, 運動前及び直後のR波及びRS波高の変化と, ST低下とを検討した. 健常群25名中23名(92%)はR波高が減少し, 2名(8%)が増大した. また, 虚血性心疾患群34名中27名(79%)が減少し, 7名(21%)が不変または増大(R波高診断基準)した. RS波高では, 健常群3名と虚血性心疾患群8名がR波高診断基準陽性であつた.
ST診断基準陽性(ST低下>0.05mV)は, 健常群4名(16%)で, 虚血性心疾患群26名(76%)であり, 偽陰性が8名(24%)であつた.
安静時左心機能とST診断基準あるいはR波高診断基準との間に相関はなかつた.
感度及び特異度は, R波高診断基準では, それぞれ21%, 92%, RS波高診断基準では, それぞれ24%, 88%, ST診断基準では, 74%, 84%であり, 虚血性心疾患の診断には, ST診断基準の方が有用であつた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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