医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
シメチジンの内服により高プロラクチン血症及び乳汁漏出をきたした十二指腸潰瘍の1女性例
―プロモクリプチンの効果を含めて―
三宅 周尾上 公昭川口 憲二杉山 明岩本 龍夫村田 太郎安原 高士河野 宏
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 38 巻 7 号 p. 730-733

詳細
抄録
我々はシメチジン(タガメツト)の内服により, 高プロラクチン(以下「PRL」)血症および乳汁漏出をきたした十二指腸潰瘍(以下「DU」)の1女性例を経験した.
27才の女性. 昭和56年8月に空腹時の嘔気と心窩部痛を認め, 57年3月より再び心窩部痛を訴え, 6月に当院の外来を訪れた. 29日に胃透視上DUがあり, 同日よりシメチジン800mg/日内服を開始した. 9月7日に乳汁漏出に気づき, この時血清PRL値は43ng/mlで, プロモクリフ. チン(パーロデル)により2.0まで低下した. その後, シメチジン400mgとプロモクリプチン2.5mgを眠前内服としたところ, 血清PRL値は14.9ng/dlにとどまつた.
自験例のように, シメチジン800mg/日の内服にて血清PRL値が43ng/mlにまで上昇した報告はみられない. プロモクリプチンは血清PRLを下げる作用があり, シメチジンの使用でこのような副作用のみられる症例には, 十分使用し得ると考えられた.
著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top