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各種高血圧ラットにおける〔Sar-1, Ile-8〕アンジオテンシン亜の反応
諸冨 康行
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1985 年 39 巻 12 号 p. 1065-1069

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抄録
高血圧の成因におけるレニン・アンジオテンシン系(R-A)系の役割を検討するため, R-A系阻害剤であるアンジオテンシンIIアナログ(A II A)を用いて, 各種実験高血圧ラツトにおける反応を検討した. 高レニン性として腎動脈狭窄高血圧ラツト(GB-HT), 低レニン性としてDOCA-salt高血圧ラツト(DOCA-saltHT)また自然発症高血圧ラツト(SHR)に〔Sar-1, Ile-8〕アンジオテンシンIII 100μg/kgの1回注入による血圧反応を観察した. 血漿レニン濃度(PRC)の高値であつたGB-HT, SHRでは初期昇圧反応は鈍く, 降圧反応はGB-HTで著明で, SHRではみられなかつた. PRCの低値であつたDOCA-salt HTでは, 初期昇圧反応はややつよく, 降圧反応はみられなかつた.
これらの結果はGB-HTではR-A系が主役を演じ, DOCA-salt HT, SHRでは主役でないことを示し, AHAはレニン依存性高血圧を判定する上で有用であることを示している.
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© 一般社団法人国立医療学会
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