抄録
悪性腫瘍に対する化学療法. 放射線療法などの抗腫瘍療法による二次性悪性腫瘍の発症が重要な問題となりつつある. 悪性リンパ腫の場合. 急性白血病が比較的高率に発症することが知られているが. 急性前骨髄球性白血病の報告はまれである.
38才. 男性が食欲不振. 体重減少および右胸痛を訴えて入院した. 入院時右側頸部および腋窩リンパ節踵脹を認めたが. 肝脾腫は認められなかつた. CTスキヤン. その他の検査で右側胸膜の腫瘤を認めた. 右側頸部リンパ節生険で悪性リンパ腫(びまん性. 大細胞性)の所見を認めた. VEPAおよび右側胸部への放射線療法により腫瘤およびリンパ節腫脹は消失し退院した. 寛解約1年後白血球減少を認めて再入院した. 骨髄でAuer小体を有する前骨髄球を多数認め. 急性前骨髄球性白血病と診断された. BHAC-AMP3クール後寛解となり現在元気に生活している.