抄録
我々は, 血中テオフイン濃度をhomogenous enzyme immunoassay (EMIT法)およびdry chemistry (DC)法により測定し, 両者を比較検討した. また共存物質の影響をみるために, ヘモグロビンおよびビリルビンを添加測定した. EMIT法はエミツトテオフイリンァツセイ試薬およびエツペンドルフACP-5040を用いて測定し, DC法はセラライザー・リフレクタンスフオトメーダーにて測定した. 検体は, 6~17才の気管支喘息患児血漿で, -70℃で保存した32検体を同時測定した.
DC法とEMIT法との相関は, r=0.989と良好であつた. またDC法の同時再現性, 日差再現性および回収試験においても良好な成績を得た. 高度の溶血血漿や黄疽血漿の検体においては, テオフイリン測定値を低下させる影響が認められた. DC法は, 小児においてテオフイリン投与時のモニタリングに適していると思われた.