抄録
26才, 女性. 昭和58年2月craniopharyngiomaの手術, その後放射線照射, 術後尿崩症にてDDAVP点鼻にて口渇消失. 無月経続き, 高PRL血症にて精査のため入院.
身長15gcm, 体重62kg. 乳頭部圧迫にて乳汁漏出あり. 頭部CTにて腫瘍なし. トルコ鞍異常なし, 耐糖検査にて平坦, 内分泌機能検査ではアルギニン, LH-RH試験にてGH, LH, FSHの分泌低下あり. TRH試験ではTSH正常反応で甲状腺機能正常, 血中ACTH低値なるもmetopirone投与後正常値まで上昇し, 下垂体副腎系の予備能は認められた. 血中PRLは高値でTRH, sulpirideに低反応. dopamine投与中sulpiride筋注後PRLの上昇反応がみられ視床下部障害によるものと思われた.
bromocriptine投与にてPRLは正常化した.