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第5腰椎椎弓に発生した類骨腫の1例
渡辺 博義毛利 昌雄信岡 寛
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キーワード: 類骨腫, 脊椎, 骨シンチ
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1986 年 40 巻 8 号 p. 741-744

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抄録

脊柱の類骨腫は, 比較的まれなものである. 日本では昭和47年より昭和58年までの12年間に25例しか報告されていない.
最近, 第5腰椎左椎弓に発生した18才女性の類骨腫の症例を経験したので報告する.
手術は, 第5腰椎左椎弓部分切除術をした. 別出組織の大きさは10×5×5mmであつた. 組織学的所見で類骨腫と診断された. 術後経過は有痛性側彎も改善し, 臨床症状も消失した. 術後2年の現在再発の徴候はない.
症状発現年令が骨成熟年令に近く, かつ術後側彎も完全消失するというRansfordのgroup 1に含まれる症例であると考える.
本症例のごとく, 複雑な構造を有した脊柱に発生した類骨腫は, 単純X線上nidusを証明するのが困難であり, 診断に苦慮する. このような場合には, 99mTc-MDPによる骨シンチも有用な補助診断法の一つである.

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