医療
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肝内結石裁石困難例に対する術中超音波検査の有用性
はさみうち截石法
草野 敏臣古川 正人中田 俊則酒井 敦瀬戸口 正幸林 〓欽立花 一幸井上 啓爾
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1987 年 41 巻 12 号 p. 1048-1052

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抄録
肝内結石症(以下「本症」)4例に対し, 術中超音波誘導下に, 胆管切開, 裁石, 胆汁ドレナージ付加手術(肝内胆管および総胆管空腸側側吻合術)を中枢(肝門)と末梢から, はさみうちで施行し良好な手術成績を得た.
両葉に結石が存在し, 肝予備能不良のため肝切除を回避せねばならない症例に対しては, 従来の術中胆道検索の主流であつた胆管造影は閉塞部より末梢の胆管の情報は得られず完全造影は困難である. また胆道内視鏡は局所的で, 主として, 中枢側からの検索に限られることが多い. その点, 術中超音波検査を利用した. 『はさみうち截石法』は本症の治療の基本である結石の完全除去と胆汁鬱滞の解除に対し有効であり, 推奨されるべき術式と思われた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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