抄録
1981年3月より1986年3月までに当科で行つた96例のinterventional angiographyは, 塞栓術78例(81%), 動注療法15例(16%), 血管拡張術2例, 血管内異物除去1例であつた.
肝細胞癌34例, 転移性肝癌7例に塞栓術を行い, 50%生存期間はそれぞれ13ヵ月, 12.5ヵ月と良好であつた. 腫瘍の進展度と塞栓術方法が予後に関係深いと考えられる.
腎腫瘍の術前処置7例, 保存的治療10例, 各種腫瘍よりの出血4例, 転移性骨腫瘍4例に塞栓術を行い, 自他覚症状および全身状態の改善がみられ, 長期生存例も経験した. また, 胃・食道静脈瘤破裂7例, 消化管出血1例に対する救急塞栓術でも, 止血効果良好で, 長期生存例もみられた.