医療
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心臓血管外科術後抗血栓療法の問題点
畑 隆登津島 義正種本 和雄桑原 正知高須 伸二羽井 佐実荒田 敦小長 英二井出 愛邦大林 直嗣丸谷 盛雄庵谷 和夫湊 武
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1987 年 41 巻 8 号 p. 716-720

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抄録
現在の抗血栓剤の問題点を指摘するとともに, 当院における心臓血管外科術後症例の抗血栓療法に検討を行つた. 対象症例は, 虚血性心疾患術後45例, 人工弁置換術後50例, 末梢血管手術後70例の計165症例であつた.
対象症例の平均年令は60.5土9.8才, 性別では男性124例, 女性41例であり, 平均追跡期間は, 40±16ヵ月であつた. 重篤な合併症としての出血は6症例に認められ, うち頭蓋内出血の3例が死亡した. 全身血栓塞栓症は, 3例に合併したが, いずれも救命可能であつた. また抗血栓剤内服中, 外科的処置を必要としたのは12例であつた. 機械弁置換術後症例, 径6mm以下の人工血管バイパス症例および血栓塞栓症の既往がある症例は, 抗凝固剤と抗血小板剤の併用療法を行うことが望ましいと考える.
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© 一般社団法人国立医療学会
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