医療
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頻脈発作の治療に関する研究(II)
国立病院多施設における人工ペースメーカー治療の現状と頻脈治療とのかかわりについて
頻脈発作の治療に関する研究班
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キーワード: ペースメーカー, 徐脈, 頻脈
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1988 年 42 巻 10 号 p. 960-965

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抄録

国立病院多施設における人工ペースメーカー初回植え込み患者について, 昭和59年1月1日より昭和60年12月31日までの342名について調査検討を行つた.
ペースメーカー植え込みにいたつた不整脈は, 洞不全症候群163例, 房室プロツク160例, 洞不全症候群+房室プロツク9例, 発作性上室性頻拍症7例, 心室性頻拍症3例であつた. 洞不全症候群, 房室プロツクでは年令は高令者が比較的多く. 性差は認められなかつた. 基礎疾患は50~60%で器質的心疾患は認められず, 器質的心疾患では虚血性心疾患が多かつた. PSVTではWPW症候群が多く, VTでは3例とも重症な心疾患をもつていた.
ペースメーカーの合併症は, ペーシング, センシング不良が最も多かつたが, 特に心房ペーシングにおける不良が多かつた. PSVTでは7例に頻拍停止型ペースメーカーが使用されており, VTでは3例にAIDが使用されていたが, 全体からみるとその数は少なかつた.

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© 一般社団法人国立医療学会
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