抄録
国立療養所岩木病院における小児慢性疾患患児の最近3年間の入退院の動向を検討した. 対象数は177名で疾患の発生頻度, 対象年令などから喘息, 腎疾患, それ以外をその他の疾患と大別すると各々約1/3ずつであつた. 年別の入院疾患数は喘息, 腎疾患は横ばい, その他の疾患が'86年が多く, '87年が少なく, 一方退院は喘息が年々増加していた. 入院の月別では, 4, 8月が多く, 退院は3, 8月が多かつた. これは隣接する養護学校の学期との関係であることが推察された. 喘息に関し紹介してくれた医療機関は公私立病院と開業医が, 腎疾患に関しては弘前大学と公私立病院が大部分であつた. 退院後の経過観察は喘息, 腎疾患, その他ともに岩木病院が約75%以上であつた. 今回の分析から入院患児の軽症化, 入院期間の短縮, 新入院以上に退院患児数が多い傾向にあることがわかつた.