医療
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上腹部膿瘍に対するUSガイド下ドレナージの臨床病理学的検討
徳山 勝之神野 健二和田 俊裕湯本 泰弘森田 稔石光 鉄三郎森脇 昭介
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1988 年 42 巻 5 号 p. 421-426

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抄録

上腹部膿瘍の治療は, 今やUSガイド下ドレナージが第一選択となつてきており, その効果も極めて良好である. そこで, 肝膿瘍8例, 上腹腔内膿瘍7例, 胆嚢膿瘍3例のドレナージ, 計18例について検討した. 5cmを境にそれ以上を持続ドレナージ, それ以下をonepunctureとして治療した結果, 1例の死亡例を除き17例は予後良好で治癒した. 留置カテーテルはpig-tailないしPTCSの7~12Frのものを用い, 膿の減少をみて抜去した. one-punctureは, 膿の排液と抗生剤による洗浄と注入により治療した. 2cm以下の病変は, 抗生剤全身投与のみで改善した. 本法は安全確実簡便で, 外科的に開腹などを要せず, 侵襲少なく救命することができた.

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