医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
グリチルリチンによる偽アルドステロン症にうっ血性心不全を併発した肥大型心筋症の1例
高畠 裕司平井 忠和塩谷 謙二
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 43 巻 12 号 p. 1331-1335

詳細
抄録
症例は, 肥大型心筋症に罹患の66才女性. グリチルリチン225mg/日, 2週間服用後うつ血性心不全を来した. 入院時, 胸部写真で心拡大, 肺うつ血と大量の胸水を認めた. 血清カリウムは3.2mEq/lと低下し, レニン活性(0.1ng/ml/時)とアルドステロン濃度(25pg/ml)はともに抑制されていた. グリチルリチンの中止と安静のみにて1週間で体重は5kg減少し, 胸部写真の改善, 血清カリウム, レニン活性, アルドステロン濃度は正常化した.
著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top