1990 年 44 巻 11 号 p. 1120-1124
6例(再発: 1, Ic期: 2, IIIb期: 2, Krukenberg: 1)の卵巣癌患者に対し, 術後: , シスプラチン(CDDP)の間欠的投与を長期間行うため, 皮下埋め込み式リザーバー(infuse-a-port)使用による腹腔内投与方式をCAP療法の一環として行った. このうち, 1例(再発)は, リザーバー設置時, 局所に感染があり, 結局, この経路からのCDDP投与ができず抜去したが, 残り5例は初期の目的を充分果たした. 5例のうち, 3例は現在退院して1カ月毎に1週間入院し, CAP療法(CDDP ip, ADM iv, CPM iv)を継続中であり, 1例(Krukenberg)は9コース終了後リンパ節への再発にて, また他の1例(IIIb期)は2コース終了後, 当初からのイレウスの悪化のためいずれもリザーバーを抜去した.