医療
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血清膵型アミラーゼ値と膵外分泌能の相関
若杉 英之船越 顕博井口 東郎山田 幸生横田 昌樹樋口 かをる奥野 忠良
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1991 年 45 巻 2 号 p. 145-150

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抄録
血清膵型アミラーゼ値の膵疾患診療における臨床的意義, とくに膵外分泌能判定の指標となり得るかについて検討した. セクレチン試験施行121症例の液量, 重炭酸排出量, およびPFD試験施行43症例の成績それぞれと血清膵型アミラーゼ値との間には, 膵型アミラーゼの総アミラーゼに対する比率(%P/T)でみた場合には有意の正相関がみとめられたが, 膵型アミラーゼの絶対値(P)でみた場合には相関がみられなかった. 慢性膵炎の病期が進行するにともない血清膵型アミラーゼは高値から漸次低値へと移行することが示唆された. 血清総アミラーゼ(T)と膵型アミラーゼ(P), エラスターゼ1, ホスホリパーゼA2各群間には相関がなく, 膵型アミラーゼ(P)とエラスターゼ1, ホスホリパーゼA2各群間には有意の正相関がみとめられた(n=23). 血清膵型アミラーゼの測定により膵外分泌能を推測できる場合のあることは明らかであり, 他の膵特異酵素との相関も良好であった.
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© 一般社団法人国立医療学会
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