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持続性心房停止を伴った特発性右房拡張症の1例
大木 康生舟山 直樹堀本 和志上田 満五十嵐 丈記小野寺 壮吉
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1991 年 45 巻 4 号 p. 371-375

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抄録

持続性心房停止を伴った特発性右房拡張症の62歳の男性を報告する. 患者は胸部X-Pによって発見された, 少なくとも20年は経過しているCTR 72%の心拡大の精密検査のため国立札幌病院に入院した. 理学所見においては脈拍が40/分と徐脈であること以外に異常を認めず, 検査所見にも異常を認めなかった. 心電図はP波を欠いた接合部調律であった. 心エコー法は右房だけの嚢状の拡張(7.0cm×6.0cm)を示し, 三尖弁の付着異常を認めなかった. 心腔内心電図では40b/minの自己調律のペースメーカーがHis束であることを認め, His束よりIVCよりの右房内で250b/minの部分的な心房電位を記録した. 心臓カテーテル検査は特発性右房拡張症と心房停止の診断に欠くべからざるものであった.
本症例は部分的持続性心房停止と特発性右房拡張症が合併している点で, 貴重な症例である.

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