医療
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若年性パーキンソニスムでのナチュラル・キラーおよび抗体依存性細胞障害活性について
田中 正美田中 一佐々木 雄幹
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1991 年 45 巻 5 号 p. 501-504

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抄録
パーキンソン病(PD)は, 中枢神経の基底核を侵す変性疾患であるが, 抗赤血球抗体や抗神経抗体の出現が報告されている. 私たちは, 当院に入院している若年性パーキンソニスム4例を対象に, リンパ球サブセットおよびNK活性, ADCC活性について検討した. Leu 7およびLeu 11陽性細胞%は正常であったが, HLA-DR陽性細胞%は軽度増加していた. 1例でNK活性が増加していたが, 2例でNK活性が減少しており, 4例全例でADCC活性の低下が認められた. Raji cellとchang liver cellを標的にしたADCC活性は相関していなかったので, これらで作用している効果細胞は異なっていると思われる. また, PD患者は風邪に罹患しにくく発癌率が低いと報告されているが, 本研究で認められた減少とは矛盾するので, 疫学的な所見を説明する別の機序が作用しているものと思われる.
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© 一般社団法人国立医療学会
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