医療
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起立性調節障害における母親の心理的背景についての研究
西野 力男
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1991 年 45 巻 6 号 p. 530-534

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抄録

OD(orthostatic dysfunction)の母親80例の心因的要因につき検討し, エゴグラムでは, CP;13.8±4.8, NP;18.6±5.0, adult;15.8±4.5, FC;12.7±4.3, AC;14.6±4.1でFCに比しACが高いことから自主性のなさや日ごろのイライラや不満や悩みが生じやすく, 高いNPは子供に対し過干渉となりやすい傾向にあるものと考えられた. バウムテストにおいても, 正常とおもわれるのは10%しかなく, 単純型73%, 未熟型56%, 神経質型12%, 不満型7%で, 単純型・未熟型が大部分を占めていた. 単純型や未熟型は自主性がなく, 独自性に欠ける性格と考えられる. 今回の成績からODの母親は心理的不安定となりやすく, 子供にとっては学校生活のみならず家庭においても緊張が絶えず心理的不安定が助長されている可能性が示唆された.

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© 一般社団法人国立医療学会
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