医療
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免疫グロブワン大量療法を試みたステロイド抵抗性特発性血小板減少性紫斑病合併妊娠の1例について
田辺 良平小田 高明上妻 益隆中並 正道篠原 裕西田 敬
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1992 年 46 巻 2 号 p. 111-114

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抄録
30歳, 初妊初産. 妊娠12週に著明な血小板減少を指摘され当科を紹介受診. 骨髄生検を含む臨床検査にてITPと診断. 妊娠21週よりステロイド内服治療及びパルス療法を施行するも反応せず, またステロイド糖尿病併発しインスリンの併用も余儀なくされた. 妊娠29週よりγ-globulin 20g/day (400mg/kg/day)投与を開始しγ-globulinには比較的よく反応し短期間にて血小板数は増加したが投与3日目に自然破水, 分娩時期の推測及び児の血小板数の予測が困難であったため, 血小板輸血を併用し, 帝王切開術にて生児を得た. 術中出血もコントロール可能で産褥経過も良好であったが, γ-globulinの効果は短期間で消失した. その後血小板数は不安定で漸減したため, 脾摘を施行. 本症例のような重症ITP合併妊婦の妊娠及び分娩管理とその問題点を文献的考察を含めて報告する.
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© 一般社団法人国立医療学会
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