医療
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術前診断が困難であった早期胃悪性リンパ腫の1例
原内 大作仁木 俊介井上 洋行奥村 博信杉本 友則三木 啓司喜多 青三
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1992 年 46 巻 2 号 p. 121-124

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抄録
胃悪性リンパ腫は, 比較的まれな疾患である. そのなかでも表層型早期悪性リンパ腫は, 胃潰瘍や反応性リンパ細網細胞増殖症(RLH)などの良性疾患との鑑別が困難であるため, 手術適応め決定に難渋する. 今回, 度重なる生検組織診断では良性であったが, 画像診断にて悪性疾患を疑い根治手術が行えた症例を経験した. 症例は, 59歳の男性. 主訴は吐血, 腹痛. 近医にて, 胃潰瘍として8ヵ月治療を受けていたが, 夜間に吐血したため当院に緊急入院となった. 当院での生検は, 初回Group I, 2回目Group II (RLH)であったが, 肉眼所見でII c型早期胃癌が疑われたため手術を施行した. 組織所見は, Non-Hodgikinリンパ腫, 深達度Sm, リンパ節転移なく, stage IEであった. 胃悪性リンパ腫は, 胃癌に比べて生検組織診断が困難である. 特に, 早期リンパ腫の場合は, 肉眼所見や臨床症状を重視して診断する必要がある.
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© 一般社団法人国立医療学会
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